前立腺生検

前立腺生検について

前立腺がんの確定診断には前立腺生検が不可欠ですが、ほとんどの場合は入院して受ける必要があります。当院では、この前立腺生検を外来受診の1泊入院で受けていただけるようにしています。ご希望の方はお気軽にご相談ください。

前立腺生検を受ける前に

前立腺がんの腫瘍マーカー検査で、前立腺特異抗原(PSA)の値に異常がある場合には前立腺がんがある可能性があります。異常値があっても前立腺がんが存在しないケースもよくあります。確定診断では前立腺生検が必要ですが、これは侵襲的な検査です。そのため、当院ではPSAの異常値があった方に前立腺エコーやCT、MRIなどの画像検査を受けていただいて、PSA 値と画像所見、さらに直腸診、前立腺の体積、排尿状態、問診の内容などを総合的に考慮して前立腺生検の必要があるかどうかを判断しています。

当院の前立腺生検

前立腺生検は、直腸面から採取する経直腸式前立腺生検、陰嚢と肛門の間にある会陰という皮膚から採取する経会陰式前立腺生検がありますが、当院では、経直腸式前立腺生検を中心に行っています。

座薬の痛み止めを検査の30分前に挿入した後、肛門より細い生検用の穿刺針を挿入し、前立腺の定位置の組織を採取する系統的生検を行います。前立腺の大きさや位置によって左右3~7ヶ所ずつを調べます。それにより、前立腺がんの有無、組織型、悪性度を知ることができ、治療方針の決定に大きく役立ちます。

また、ご希望があれば経直腸方向からと経会陰方向からの2方向から組織採取を行う前立腺立体生検も可能です。より詳細な結果に結びつくとされていますが、出血や感染リスクも高くなるため、既往症などにより前立腺立体生検をおすすめできないケースもあります。

検査時の麻酔について

一般的に行われている前立腺生検は全身麻酔を行うことが多いですが、当院では経直腸生検を行っているため、座薬の痛み止めのみでほとんど痛みがなく検査を行うことができます。

前立腺生検で起こる可能性がある合併症

前立腺生検は、多数の針を刺して行う検査です。そのため、少量の出血をはじめとする合併症は高い頻度で発生しますが、ほとんどの場合は自然に改善していきます。検査手法にもよりますが、便に血が混じる直腸出血、精液に血液が混じる、血尿などがあります。
深刻な合併症が起こる頻度はごくまれとされており、主に前立腺炎、膀胱炎、尿閉などがあります。また、他にもごくまれに起こる合併症として、麻酔によるショック、頭痛、神経障害、腹腔内膿瘍があります。さらに検査前には予想できない脳卒中、心筋梗塞、肺塞栓症などが起こる可能性も0ではありません。
こうしたことから、入院による検査をおすすめしています。

前立腺生検の流れ

当日朝

検査当日の昼食は食べずにいらしてください。
水分補給は特に制限はありません。

ご来院

記入した同意書をご持参ください。
体調や内服薬、同意書の内容についての確認を行い、リスクなどについてご希望があれば再度ご説明します。
内容にご納得いただいたら、血圧や体温を測定します。

検査準備

検査着に着替えていただきます。
検査室で仰向けに横になり、心電図計、血圧計、酸素モニターを装着し、抗菌剤の点滴を行います。

鎮痛剤座薬挿入

座薬による痛み止めを使用します。

経直腸式前立腺生検

局所麻酔の効果を確認してから、生検を行います。
系統的生検で6~14ヶ所の採取を行います。

経会陰式生検(立体生検のみ)

立体生検の場合、超音波を使用し、会陰からの生検も追加で行います。
その場合は局所麻酔下に6ヶ所程度の生検を行います。

検査後

出血の状態を確認し、問題がなければ検査は終了です。
病室にご案内致します。
直後より飲水可能です。夕食から食事をお出しします。

翌日ご帰宅後

ご帰宅後も血尿が続くことがありますが、徐々に尿の色が薄くなるようでしたら問題ありません。数日はご自宅で安静に過ごし、処方された薬を服用します。万が一、尿の色が濃くなってきたり、血液の塊が出るようでしたら病院までご連絡ください。
なお、当院ではご帰宅時に夜間や早朝でも遠慮なくご連絡いただける緊急連絡先をお渡ししています。基本的に24時間対応しておりますので、ご安心ください。

診断結果

病理診断の結果は1~2週間後に出ますので、外来を受診していただいて結果をご説明します。

検査費用

1割負担 4,800円
3割負担 14,400円
入院室料(2日分) 12,000円
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